天の川銀河の球状星団は若い星の割合が理論予測よりも多く、年老いた星が星団から離れたためと考えられてきた。だが、追い出された後の古い星が存在しない銀河でも同じような世代分布の星団が見つかり、従来の有力説に見直しを迫る成果となっている。 【2014年12月9日 ESA/Hubble】 天の川銀河の中心付近に多く分布する球状星団は、主に古い星がたくさん集まった天体だ。1つの星団の星はすべて一斉に生まれたものとかつては考えられていたが、近年の研究から、天の川銀河内の多く球状星団にはそれぞれ2世代以上にまたがる星が含まれることがわかってきた。 これらの星団内では、親世代の星と窒素が豊富な子世代の星がおよそ半々ずつを占めているが、理論予測に沿うなら親世代の星の割合はもっと多いはずだ。 この食い違いの要因については、「親世代の星が過去にごっそりと星団から出ていった」というのが有力な説である。古い星が銀河
