ポイント 乾燥した環境下でふ化したバッタの幼虫は、体内に卵黄を多く温存し、餌を得られない場合でも長期間生存できることが判明。 卵黄を持たない幼虫は生存期間が延びず、温存された卵黄が「お弁当」として重要な役割を果たすことが示唆された。 バッタの胚が環境に応じて卵黄の配分を調整する適応戦略は、個体群動態の予測や防除技術開発に役立つと期待。 国際農研は、フランス国際農業開発協力センター、モーリタニア国立サバクトビバッタ防除センターと共同で、サバクトビバッタ (以下、バッタ) の胚1) が過酷な砂漠環境、特に乾燥条件下でどのように生存率を高めているかを明らかにしました。 サハラ砂漠に生息するバッタは、しばしば厳しい乾燥と餌資源の乏しさに直面します。ふ化直後の幼虫が生き延びるためには、独自の適応戦略が必要とされてきましたが、その詳細はこれまで不明でした。 今回の研究により、乾燥条件下でふ化した幼虫は
