そして、福岡県の企業や大学が、組み込み向けの軽量Rubyプロジェクト誕生を大きく後押ししたという。福岡県にはメーカーや、関連する組み込み開発を行うソフトウェア関係の企業が多い。最近のデジタル家電は、PC並みのスペックや通信機能が搭載されるようになり、デバイスの性能もどんどん向上している。当然、必要となる組み込みソフトウェアの量は増大し、厳しい納期に追われる技術者たちの負担は大きくなっており、組み込みソフト開発の生産性を上げるニーズは日々高くなっていた。そこで福岡県の企業からの相談を受けたまつもと氏は、協同して経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」に応募。その助成を受けて軽量Ruby「mruby」の開発プロジェクトが始まった。 プロジェクトが開始されたのは、2009年の春。まずは組み込みでRubyに必要なものは何かを検討したという。 「あらためて組み込みのシステムを考えてみると、