バカッター騒動が後を絶たない。コンビニの冷蔵庫の中に入ったりパトカーの屋根に乗ったりして撮影した写真をインターネット上の交流サイトに投稿する、あれである。投稿された画像があっという間にネットで拡散して、逮捕者まで出る事態になっている。 海外でも事情は同じようで、たとえばアメリカのフロリダ州では、妻を射殺して血まみれの遺体の写真を交流サイトに投稿した３１歳の男が、警察に自首して逮捕されている。この容疑者について、隣人の一人が「常にヒーローになる機会をうかがっているようだった」と語っているが、この言葉が一連の非常識写真の投稿の動機を解き明かすうえで鍵になるように思われる。 ヒーローになりたいと欲するのは、自己顕示欲と承認欲求、そして平凡恐怖ゆえだろう。いずれにせよ、自己愛のなせるわざである。自己愛について、毎度おなじみラ・ロシュフコーは「ちょうど、われわれの目に似ている。何でも見えるが、自分自
