中国の習近平国家主席はドナルド・トランプ米大統領が深夜にぶちまけた言葉について、自分へのお世辞なのか愚弄なのか判断がつきかねているのではないか。 トランプは一国の元首、あるいはタフな交渉相手というよりも、まるで振られた元恋人のような口ぶりで、習とは「ディールを結ぶのがきわめて難しい」とソーシャルメディアで不満をこぼした。結局のところ、中国は2国間の貿易ディール(取引)に関心がないのではないか? そうやっと気づき始めたかのような、わりと本音に聞こえる書き込みだった。 この「吐露」にはいくつも疑問がわく。ここではすべてを挙げきれないが、たとえば、トランプは2017〜21年の大統領1期目に、習から冷たくあしらわれたことを覚えていないのか? あるいは、2025年現在の習を取り巻く状況を見て、どうして彼がもう一度、米中交渉に乗り気になるというふうに思えるのか? 未練がましい元恋人がよくやるように、ト
