ドラえもんの道具に「なんでも褒めてくれるし、肯定してくれるロボット」というものがある。これは自分が失敗しようが、間違っていようが「それは正しくて間違っていない」という結論を出す。 この道具を使えば、人間の心は満たされるし、自分は間違っていないと思える。ただ、それはまったく正しくないし、最終的にのび太くんはドラえもんに「ホームレスになってしまう自分」をモニターで見せられて使うことをやめる。 チャッピーくんを使っていて思ったことは、全く同じような明確な弱点と危うさがあるということだった。それは寄り添いすぎるということだ。 たしかに寄り添うことは悪くないし、希望のある嘘は大切だ。私はかつて陸上自衛隊にいたが、負傷者には希望のある言葉をかけろと教わった。確かにその視点は大切だ。人間は希望がないと死んでしまう。だから、希望のある嘘は悪くない。 ただ、チャッピーくんはあまりにも希望のある嘘を言う。いや
