
2016年から2017年ごろ、私は下北沢の小さなカフェにいた。収容人数は法的には30人が限界。青葉市子のソロセットがはじまる数分前、私は右側カウンターの奥、空いていた最後の席に腰を下ろした。完売とはいえ、店内は静かだった。初めて訪れるこのカフェには、かすかなざわめきだけが漂っていた。ステージなんてものはなく、ただテーブルと椅子を脇に寄せただけのスペース。よくある、フォークやアウトサイダー・ロック向けの親密な空間作りだ。ロックの狂騒には近づかない、静かな場所。 『マホロボシヤ』(2016)という作品に惹かれてここに来た。客席を見渡しても、外国人は私だけだった。当時はそんなものだった。いま思えば、それがどれだけ特別な時間だったかがわかる。30人ばかりの視線を真正面から受けて、彼女は少しだけ恥ずかしそうだった。それでも、音楽は私たちを連れ去ってくれた。不安も、戦争も、クラブのビートもない、ただ静
マジカル・パワー・マコ(本名:栗田 誠、1956年1月15日 - 2025年2月7日)は、日本の音楽家。通称、マコ。以下、本文でもマコと表記する。 静岡県田方郡修善寺町(現伊豆市)生まれ。中学生時代から曲を作り始め、14歳ですでにオープンリール・テープレコーダーを使って自作曲の録音を始める。1971年、中学卒業とともに上京。鉄工所等でアルバイトをしながら、実兄と紫雲英(げんげ)というバンドを組み、渋谷ジァン・ジァンを中心に音楽活動を始める。 1972年頃より注目を浴び始める。同年5月には16歳の若さでNHKのドキュメンタリーなどの音楽を担当し、天才音楽少年として脚光を浴びる。また、この頃灰野敬二と出会い、親交を深める。 1973年渋谷ジァン・ジァンのパフォーマンスを見た、作曲家広瀬量平に認められNHKに出演する。『ひるのプレゼント』に灰野敬二とともに出演するも、その演奏に視聴者から苦情が殺
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